活動日記

2024/06/22

くしの歯作戦

能登半島地震から約5ケ月が経過しましたが、未だ避難をしている方々が不自由な生活を送っています。また、建物の撤去や道路の復旧が十分進んでいないために全体の復旧が思うように進んでいないのが現状です。その原因の一つが、国土交通省(北陸地方整備局)と石川県が能登半島の道路啓開(緊急復旧)計画を作っていなかった事によるものです。

過去に能登半島で起きた地震を契機に、国会でも審議されていたにもかかわらず震災時の道路啓開計画がなかったこと自体が行政の怠慢です。「道路啓開」とは、災害発生時に本格的に道路が復旧する前、緊急車両などを通行させるため、最低限のがれきや土砂の処理で救援ルートを設ける事で、自衛隊では通常でも道路啓開訓練を行っています。

実は、東日本大震災の際に救助部隊が東京方面から被害の甚大な沿岸部に向かうため、内陸部に道路を確保し、そこから沿岸部に複数の道路を通す「くしの歯作戦(道路啓開作戦)」が成果を挙げました。 その後、国や県などの道路管理者が道路啓開計画を立案する事が国の防災基本計画に明記され千ました。大災害時に72時間以内に救援部隊が被災者を救出する為には道路の早期啓開の重要性は言うまでもありません。

今回の能登半島地震では、東日本大震災の「くしの歯作戦」の教訓が生かされなかったのは残念です。改めて、石川県の馳知事が普段から災害時の対策を怠っていたかが分かります。そして、県民の生命財産を守る責任がある知事には“危機管理能力”が必須の資質で、首長を選ぶ選挙では「危機管理能力」を持っている候補者かどうか良く見極める事が大事です。

*くしの歯作戦:東北地方を例にすると内陸部を南北に貫く東北自動車道と国道4号から、「くしの歯」のように沿岸部に伸びる何本もの国道を、救命・救援ルート確保に向けて切り開く作戦のことです。これにより孤立化した村落に救援物資を届ける事が出来ました。

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