活動日記
2025/05/02
日米関税交渉

相変わらずコメの流通不足で価格高騰が続いています。そのような中、現在行われている日米関税交渉で、米国産のコメを大幅に輸入する案が出ている事、そしてその案には一時的な輸入には賛成ですが恒久的なコメの輸入拡大には反対であることは、先日のブログで述べました。ところが、ここにきて「米国産のコメの輸入拡大は、日本の食料安全保障を崩壊させる」という、私と同じ考えの経済評論家が出てきました。
戦後の日本の食料自給率は70%を超えていました。ところが、1960年の日米安全保障条約の改正をきっかけに、日米間の経済協力事項が加わり、日本の安価で性能の良い工業製品を輸出する一方、米国からの大量の小麦・大豆・トウモロコシなどの穀物の輸入が始まりました。これによって、日本の経済は大きく発展するのですが、農地改革で新たに小規模自作農家が創設され、併せて減反政策により、食料自給率が38%まで低下してしまいました。その結果、現在の耕作放棄地の面積は、九州の広さに匹敵するまで増えています。
島国で食料品を輸入に頼る日本は、食糧安全保障を真剣に考える時期に来ています。もし、中国による台湾進攻が行われれば、日本のシーレーンは脅威を受けて食料品の輸入も滞り安定的な食糧の供給が出来なくなります。また、現在の異常気象、更には大震災などが起きれば備蓄米の放出だけではコメ不足が起きるのは明らかです。
有事に国民に安定的な食料品を供給するのは政府の責任です。そのような事からも、減反政策の見直しと併せて、今回の日米関税交渉では米国から日本へのコメの恒久的な輸入拡大には反対して欲しいと思います。
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