活動日記

2025/04/12

消費税が、大企業への還付金

国会での野党の質問の中で、“消費税が社会保障に使われているのか?”というものが多く出ます。消費税導入前に比べると個人の税金の負担が確実に増えているので、社会保障が削られているように感じられるのです。しかし、問題は消費税が輸出大企業に還付されている事です。

国からトヨタ自動車など輸出大企業20社が還付された消費税還付金額が、1兆9千億円にも達するのです。

通常「消費税」には、標準税率の10%と軽減税率の8%の他に“0%”があります。この0%の税率はトヨタのような輸出売り上げに適用されています。これは、多くの国民に知らされていない税率です。

そこで、トヨタ自動車の例を見て見ます。トヨタ自動車の輸出売上額は、約10兆6千億円です(2022年度)。
①10兆6千億円に0%をかけると、消費税額はゼロ円 ②トヨタの国内販売分の売上金額は3兆5千億円。これには10%の消費税がかかるので、消費税額は3500億円 ③消費税が含まれている仕入れや外注費、諸経費が8兆8千億円あり、これにかかる消費税分(仕入税額控除額)が8800億円 ④売り上げにかかる消費税額3500億円から仕入税額控除額8800億円を差し引くと、マイナス5300億円。そうすると、税務署に支払う額はマイナスとなり、逆にトヨタには、税務署から還付金として5300億円が支払われます。このように、輸出会社に“輸出還付金”がもらえるのは、「ゼロ税率と仕入税額控除方式」があるためなのです。

これが、大企業への「優遇税制」の一つです。現在、中小零細企業は“インボイス制度”によって税金の支払いも厳しい状況です。しかし、輸出大企業には、このような優遇措置があります。ですから、大企業の集まる経団連は、消費税が上がれば、還付金も増えますので“消費税アップ”を要望しているのです。

国会では、税負担を国民に求めるだけでなく、大企業への輸出還付金の是非についてもしっかりと議論して欲しいと思います。

*社会保障給付費:年金、医療、福祉その他(介護、子供、子育て向け予算を含む)が含まれています。

資料その2。全国商工新聞 https://www.zenshoren.or.jp/2021/04/26/post-9475 より。
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