活動日記
TKB48
TKB48とは、災害関連死を防ぐ為に、清潔なトイレ、温かい食事を作れるキッチン、段ボールベットを発災後48時間以内に避難所に整備する支援を言います。
7月28日に発生した熊本地震では、県内約400ヶ所の避難所に9450人が避難しています。そして、10年前の熊本地震と同じく多くの避難所で雑魚寝を強いられています。当時は、不自由で不衛生な避難生活の為に関連死が多く発生した事から避難所の環境を改善する検討が行われました。その結果、災害発生から48時間以内にTKB(清潔なトイレ、キッチン、段ボールベット)を避難所に設置するという対応策「TKB48」が出来ました。
ところが、今回の熊本地震では、48時間が過ぎても10年前と同じ雑魚寝状況の避難所が多く見られ、避難所から避難をして車中泊、あるいは自宅避難をする人たちが多くなっています。
これまで、避難所の環境改善は、災害が起きるたびに課題となってきました。それは、地震で建物の下敷きになるなどして亡くなる直接死を免れても、その後の避難生活で体調を崩して命を落とす関連死が多いからでした。
2016年の熊本地震では、直接死が50人、関連死が約4倍の228人でした。また、2024年の能登半島地震でも、直接死の228人に対し、関連死は2倍超の520人でした。そして、関連死が増える背景に、避難所の劣悪な環境が指摘されてきた。
例えば、不衛生なトイレの利用回数を減らそうと、水分補給を控えて脱水症状になったり、配られる食事がおにぎりやパンといった炭水化物が中心の為に栄養が偏り、更には雑魚寝の為に睡眠不足・プライバシーが守れないなどで健康を害し、関連死につながる事が多くありました。
そして、避難所は不自由な生活を強いるところではなく、できるだけ快適に避難生活が送れる場所に変える必要があると、政府もこれまで対策を行ってきました。しかし、今回その対策が未だ不十分であることが露呈しました。
私は、埼玉県危機・災害等専門家会議委員として「TKB48」の準備そして体制の強化を訴えていきます。
<参考>イタリアでは1980年に南部を襲った大地震で、情報が混乱して適切な支援ができなかった教訓から、国が支援の専門組織(市民保護局)を設置して支援を統括、備蓄拠点や支援体制の整備を進めてきました。ポイントは必要な機材のユニット化と被災自治体の職員は避難所運営を行わないという仕組み。災害が起きると最寄りの備蓄拠点から、コンテナをうまく利用したトイレ・シャワー(T)、キッチンカーやキッチンコンテナ(K)、カーペットが敷かれ家族分のベッドがあるテント(B)などが、ワンセットで一緒に届き、すぐに利用環境が整います。避難所運営には、自身も被災し負担も大きい地元自治体職員は関わらず、専門職種のボランティアが駆けつけます。衛生的なトイレを使い、温かく栄養のある食事で元気を取り戻し、テントの中のベッド、生活空間で安心して過ごせる。ユニットは標準化されていて、どの避難所でも同じ質の支援ができるようになっています。イタリアは災害支援、特に避難所に関しては先進国と評価されています。このイタリア式避難所は、日本でも最近は注目が高まり、各地でイタリア式での実証訓練も行われ始めています。

