活動日記

2024/02/12

災害関連死

能登半島地震の被災地では、不自由な避難生活が長引き「災害関連死」が問題になっています。現在のところ、圧死・窒息死などの「直接死」が241人ですが、「災害関連死」が15人と増えています。

この「災害関連死」は、29年前の阪神・淡路大震災の時から関心が高まり、避難所運営や避難生活の在り方などが検討されるようになりました。因みに、阪神・淡路大震災の死者が6434人、その内災害関連死が919人、東日本大震災の死者数は2万2200人、災害関連死は3794人でした。また、2016年の熊本地震では死者が276人でしたが、その内の災害関連死数が221人と多くを占めました。

例えば、熊本地震では災害関連死の221人の内70歳以上の高齢者が8割を占め、死因は肺炎や気管支炎の呼吸器系の疾患、心不全やくも膜下出血などの循環器系の疾患が多くを占めていました。今回の能登半島地震でも、寒い避難所で体を寄せ合って生活していると「インフルエンザ」に感染したり、体を動かさない状態が長引けば「エコノミークラス症候群」になって死亡する例が増えてきます。

被災地では、DMAT(災害派遣医療チーム)を始め各種医療・看護団体などが全国から派遣され被災者の健康状態をケアしています。一方で、行政側も、ホテルや旅館などへの“2次避難所”への移行や、仮設住宅の建設を急いで住環境の改善も行われています。

今後とも、能登半島地震で安否が不明の22人が早く発見される事と、災害関連死がなくなる事を祈りながら見守っていきたいと思います。

*エコノミークラス症候群:足や下半身などにできた血液のかたまり(血栓)が、血流に乗って肺の血管(肺動脈)につまり、胸の痛み・呼吸困難・循環不全などをきたす病気です。

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