活動日記

2024/02/16

ペットの避難

大きな地震などの災害時に問題になるのが「ペットの避難」です。今回の能登半島地震でもペットと同伴避難できる避難所が限られていて、ペットを飼っている被災者が苦労しています。

現在、日本の約3割の世帯が犬や猫等何らかのペットを家族の一員として飼っています。しかし、災害時にはそのペットを受け入れる避難施設が少なく、動物病院やペットホテルでペットだけ避難したり、ボランテイアがペットの世話をしたりしていますが、ペットと一緒に車中避難をしている家族も多くいます。一方、地震で動物が体調を崩したり精神的に不安定になるケースも出ています。今回の能登半島地震では、自宅横の納屋でペットと避難生活をしていた男性が、火事で犠牲になるという悲惨な事故も起きています。

環境省や自治体では、ペットとの「同行避難」を推奨していますが、避難所では人が生活する部分とペットのいる場所は切り離されます。確かに、動物が苦手な人やアレルギーのある人の事を考えると、やむを得ないと思います。しかし、ペットを長年家族の一員として飼っている人たちにとっては、災害時も一緒に避難生活を送りたいという心情も理解できます。私も、写真の犬を飼っていますので、災害時は一緒に避難したいと思っています。

現在、環境省や自治体ではペットの「同行避難」を原則とした「災害時のペット対応マニュアル」を作っていますが、「同伴避難所」の場所などは記載されていません。今後も、大きな地震が起きる事が予想されていますので、各自治体は、ペットの「同伴避難施設」の準備と運営についての訓練が必要です。埼玉県では市町村や避難所運営者向けの「ペット同行避難ガイドライン」を作成していますが、今後具体的な準備・訓練や獣医師会などとの連携を提言していきたいと思っています。

*ペットの同行避難と同伴避難との違い:「同行避難」とは、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難場所 まで安全に避難することをいいます。 避難場所まではペットと一緒に避難することに なりますが、避難所ではペットと飼い主は別な場所で過ごします。一方、避難所でペットと一緒に生活を行う事を「同伴避難」と言います。

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