活動日記

2023/09/07

京都アニメ放火殺人事件の初公判

4年前に起きた京都アニメーション放火事件の初公判が行われました。この事件は、犯人の青葉真司被告(45)がスタジオに侵入しガソリンをまいて火を放ち、そこで働いていた社員が被害に会い死亡者36人、重症者32人もの犠牲者を出した大事件です。青葉被告自身も、全身に9割以上の思い火傷を負い一時は生死の境をさまよっていました。今回初めて公判が行われましたが、驚いた事は弁護人が「精神の障害で良いことと悪いことを区別する能力が欠けていた」と述べ、心神喪失で無罪だと主張し仮に有罪の場合でも心身耗弱(しんしんこうじゃく)で減刑すべきだと訴えたことです。青葉被告は犯罪を犯した動機を「京アニメに自分の作品をパクられた」と言っています。しかし、私は動機が何であれ、多くの社員が働く場所にガソリンをまいて放火すればどのような惨事になるかという事は想像できると思います。

今回の公判では、被告は起訴事実をすべて認めています。また、被告の子供の時からの複雑な家庭環境も明らかになり本人のこれまで歩んできた人生も明らかになり同情する面もあります。また、アニメコンクールなどに何度自分の作品を応募しても入選できなかったようです。しかし、それらを考慮しても、真面目に働いている社員の皆さんが、被告の一方的な思い込みで犠牲になる必要はありません。自分生い立ちとは全く別物。ご家族の苦しみなどを考えれば、弁護士は「無罪」を主張すべきではないと考えています。また、被告は事前にガソリンやポリバケツそして刃物まで準備していますので、判断能力はあると見るべきです。今後、裁判所で判決が言い渡されますが推移を注視していきます。

*心神耗弱(しんしんこうじゃく):精神の障害により、事物の理非善悪を弁識する能力が著しく減退しているか、又はこの弁識に従って行動する能力が著しく減退している状態をいいます。心神耗弱と認定されると、刑が減軽されます(刑法39条2項)。

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