活動日記

2023/10/08

子ども放置禁止条例

 埼玉県議会の自民党が提案した「児童虐待禁止条例の一部改正案(別称:子ども放置禁止条例)が、委員会で可決されたとの報道が大きな話題になっています。それは、小学生以下の子どもを自宅や車内などに放置しないよう親に義務付ける条例で、これが施行されれば、働く親はほとんどが条例違反になってしまう恐れがあり多くの反対意見が出ている為です。確かに、最近猛暑の中で子どもを車に放置して亡くなるという痛ましい事件が起きており、それを防ぐことは大事です。そして、児童虐待も増加して深刻な社会問題になっている事も事実で、社会全体で虐待防止に取り組むことは当然なことです。

しかし、今回の条例改正案は、罰則はありませんが、成人の「養護者(保護者)」が3年生以下の子どもを「住居やその他の場所に残したまま外出することその他の放置」を禁じ(義務)、4~6年生については努力義務とする内容で、県民には通報を義務づけています。具体的には「子どもだけで公園で遊ばせたり登下校させたりする事」、「100メートル先の近所の家に回覧板を届けるために一時外出する事」といったことも禁じられるとの事で、現状を考えた場合この条例案には無理が多いと言えます。

例えば、“車への置き去り”は、子どもの命に直結する問題ですから禁止すべきケースがあると思います。しかし、子どもを長時間車中に置いてパチンコ店で遊んだり、友達と喫茶店で話し込んだりする場合はもちろん禁止すべきですが、目の前のポストに投函するなど、子どもを車から降ろさない方が安全な場合もあります。

いずれにしても、様々なシミレーションを行っていない事がわかる条例案で、一番の問題は、親が働く世帯に対するベビーシッターの無料派遣や、学童保育施設を更に充実させるなどの支援策がない事です。条例を作るので後は各自治体や関係機関が対策を行え!という一方的な条例案です。10月13日の県議会最終日には、自民党と公明党の賛成多数で可決されると思いますが、その後は市・町の議会議員が住民の意見をしっかりと聞いて、行政側と一緒に対策を検討する事が大事です。県民にとって大変問題の多い条例が制定されそうですので今後とも注目していきます。

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