活動日記

2023/10/07

公務員の過失責任を区民が取る?

東京都練馬区が、税務署から3,700万円の追徴課税があり、それは区役所職員のミスによるものだと判断し、担当課長と担当職員2人に全額の賠償責任を求める決定をした事が波紋を呼んでいます。そのミスは、職員の6月のボーナスに課税される“源泉所得税”の納付を7月10日までに納付すべきところ、担当職員が銀行の事務処理方法が変更された際に納付期限を勘違いし、これまで3年間8月10日に納付していたというものです。

これに対し練馬区は、監査委員に諮った上で正式に賠償請求するとの事です。地方自治法では、「故意」か「重大な過失」により役所に損害を与えた場合、職員に損害賠償を請求できると規定されています。今回練馬区の職員が区役所に損害を与えた事、そして確かに練馬区民の大切な税金が職員のミスによる追徴課税に使われる事は事実です。それが、練馬区長や監査委員が、職員のミスが「重大な過失」に当たるかどうか、の判断を如何にするか注視されます。

これまで、他の自治体では公立学校のプールの水を出しっぱなしにしたとして、学校の校長や担当教諭に損害賠償がされて例などがあります。公務員には、個人がミスをした際に生じる損害を補償する保険に加入している人もいるようですが、加入実態は少ないようです。それは、役所の職員の皆さんは、日頃から税金の無駄使いがないように法律や規則をチエックしながら仕事をして、更に監査委員や議会でもチエックを行っていますので、真面目に仕事をしていれば税金を無駄に使うようなミスが生じないような体制もできているからです。しかし、今回のような事務手続きのミスのチエックまでは監査委員や議会では出来ません。担当課が普段から事務処理の厳密なチェックを行う必要があり、その責任は担当課長や部長の責任になります。今回の練馬区の職員への損害賠償の例が今後の判例となり、更には管理職の責任の取り方まで影響しますので他自治体の職員の皆さんも注視して欲しいと思います。

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