日本で新卒（大卒）の初任給の年収は、１位が三菱商事３２７万円、２位は野村総研３２４万円、３位は三菱UFJ３２２万円と、トップ企業でも３００万円台です。しかし、インターネットインフラから金融・広告など幅広い事業を手掛けるGMOインターネットGPは、新卒（大卒）の初任給年収を７１０万円との衝撃的な給与が話題をよんでいます。GMOは、新卒の人財に２年間ですが高額の年収を支給しその能力を発揮してもらおうという会社の方針です。

私は、この報道を聞いてGMOはどのような人財を求めてるのだろうか？と興味が湧きました。即戦力？将来性？それともマネージメント能力？あるいは人間性？など求める能力はどういうものでしょうか？採用分野は主に“研究開発部門”との事ですが、例えばコンピューターに関する知識や操作能力がずば抜けているとか、あるいは大学（院）での研究実績が群を抜いているのか？などの特技がなければならないでしょう。しかし、採用された人材は、入社当初２年間で“成果”が出れば更に給与がアップし、期待する成果が出なければ給与は上がらず、最悪は会社に居づらくなり退職という事もよくあるとの事です。

私は、これまで若い時に事業などで大成功して大金を手にして自分を見失い、人生を転げ落ちた人たちを多く見てきました。苦労しないで“大金”を手にすると、人生での様々な障害に対応できない、あるいは“利他の心”を失ってしまい、〝自利“にばかり走ってしまいがちです。そうすると、困った時に周囲からの応援がなくなってしまいます。昔の人は「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言っています。人の生き方はそれぞれですので、自分の能力や将来の事を考えて自身で決めればよいのですが、私は「目先の給与だけで職業を選ばず、人生設計をきちんと立てて、そのためにどう歩いていくかを考え、ゆっくりと階段を上って欲しい」と言いたい。若者の未来が充実したものになることを心から願っています。