活動日記

2024/03/16

日銀マイナス金利解除

 日本銀行が、17年ぶりに“マイナス金利を解除”する事が決定するとの報道に少し安堵しています。しかし、金融機関が短期金利に連動する変動型の住宅ローンや企業に借り入れなどの「金利」を上げるかどうかが焦点です。

経済の専門家は「日銀は、今回の春闘の賃上げ率が5.28%という高さの為に、物価に追いつくように賃金が上昇する好循環が実現すると見ている」との見解を示しています。

しかし、私は“マイナス金利の解除”は、行き過ぎた円安を是正する点では望ましと思いますが、現段階で「好循環が実現する確度が十分に高まった」と判断するのは早計ではないかと思っています。  というのも、最近の日本の物価上昇は国際的な資源・原材料価格の上昇と円安によって引き起こされている訳で、国内の政策での影響ではありません。更に、今春闘の平均賃上げ率が高かったと言っても、これが来年以降も継続する保証は全くないのです。

実質賃金が上がって、消費が増え、国内の需給バランスが改善して物価が上昇していくという好循環が望ましいわけで、現状では日本経済がデフレに弱戻りするリスクを残したままです。日銀がマイナス金利の解除に踏み切っても、しばらくは様子見で低金利政策を維持していく必要があると思っています。今後、賃金上昇やマイナス金利解除が、中小企業の経営が良くなり、そして国民の消費が増える事、更には株価が上昇する事など景気が良くなる実感を味わいたいという事を期待したものです。しかし、年金だけで暮らしているいわゆる「年金生活者」にとっては上記の話は全く関係なく、むしろ年金が下げられ、物価は上がり、、という苦しい生活を余儀なくされます。益々高齢化の拡大する日本は、難しい局面に立たされています。

*マイナス金利とは : 民間の金融機関が日本銀行に預けている預金金利をマイナスにすることです。金利のマイナス化により、預金者が金利を支払うことになります。
日銀はマイナス金利政策によって、金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくすることで、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促し、経済活性化とデフレ脱却を目指といわれいます。

  • Facebookページへ
  • Twitterへ