活動日記

2023/09/05

深刻な介護業界の人手不足

日本では高齢化社会が進み、「2025年問題」「2040年問題」と言われ社会問題として盛んに提起されてきました。最近では、介護業界での人手不足によるサービス低下や労働環境の悪化による離職率の上昇、経営状態の悪化が報道されています。そして、介護職員の不足は深刻で、2025年には約32万人、2040年には約69万人が不足すると言われいます。また、ある調査によると、介護施設の7割が慢性的に職員の不足を感じていて、その内9割が「採用が困難である」と答えています。私も、3年間寝たきりの母を妻と二人で介護した経験から、介護業界の人手不足対策について県議会で何度も取り上げてきました。

介護現場は、①他産業に比べ労働条件が良くない事、更には②同じ人の命を預かる看護職に比べて社会的評価が低い事があげられます。この二つの点を国と県が連携して改善する必要があると議会で訴えてきました。大野元裕埼玉県知事も同じ意見で、国に対して要望してくれました。そして、政府は昨年10月から約3%(約1万円)の賃上げを行いました。しかし、介護職の平均月額給与は約31万円で、産業全体の平均賃金の約36万円に比べて4万円の差があり更なる改善が求められています。

更には、社会的評価の向上については、県でも知事が先頭に立って介護職の魅力発信を行っています。しかし、私は介護職の若者に対して看護職と同等の資格を取らせて、看護師に対しても患者の症状に関する意見やアドバイスができるまでの知識と経験を持たせる事が必要だと考えています。そうする事により、介護職の皆さんの命を預かる職業についている責任感や意欲がわいてきます。いずれにしても、介護職の人手不足を解消する為には、これから進路を決める中学生や高校生に介護職の必要性や社会的役割をアピールし、人生の先輩達の尊厳を保つために重要で感謝され、夢のある職業だと周知していく事が急務です。もっと現場の皆さんに声を上げてもらいたいと思います。

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