活動日記

2023/12/10

災害時のリスクマネジメントとは!

日比谷図書館で開催された日本市民安全学会の講演会に参加しました。講師は澤田雅之氏で元警察大学校警察情報通信研究センター所長をされた方です。「大災害のリスクマネジメントとダメージコントロール」と題した講演との事で、自分の経験や、現在の埼玉県の危機・災害専門家会議委員という役職もあり、大いに興味のある分野なので、始まる前から期待していました。まず、リスクマネジメントとは、大規模災害の発生を低減する為の組織的な事前対応のプロセスを言い、ダメージコントロールとは、大規模災害発生直後から実施する、被害拡大防止に向けた臨機応変かつ組織的な事後対応のプロセスを言います。

2011年に発生した東日本大震災で東京電力福島第一原発事故を実例として取り上げ、リスクマネジメントとダメージコントロールの失敗例として説明がありました。即ち、東京電力が大地震に対する、耐震補強工事(特に津波での電源喪失対策)の必要性を指摘されていながらそれを実施していなかった事は、正にリスクマネージメントの欠如。更に、電源喪失に対する対応マニュアルや対応ツールがなかったので事故後、その場での判断や対応を行ったのは、ダメージコントロールの欠如で被害が拡大してしまった。言ってみれば福島の原発事故は、ある意味「人災」だったとの話に納得しました。

今回の勉強会で、組織のトップのリスクマネジメント能力・危機管理能力が如何に大切かを学ぶ事が出来ました。現在、埼玉県では大野元裕知事が先頭に立ち、災害対策の為の図上訓練を繰り返し行い課題などを浮き彫りにしていますが、今回得た知識などで的確なアドバイスを行っていきます。澤田講師の豊富な経験や体験に基づいた話は説得力があり、これから何が重要なのかを示唆する大変有意義な講演会でした。

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