活動日記

2023/11/22

生活保護費を毎日1000円手渡し

 群馬県桐生市の男性(50歳代)が、生活保護費を毎日1000円ずつ市の職員から手渡しされていた事と毎月満額が支給されていなかった事が明らかになり、大きな問題になっています。男性は糖尿病を患い、生活に困窮して今年7月に生活保護を申請し8月に月約7万1000円の支給が決定しました。但し、市は男性に毎日の求職活動状況を書面で提出するよう求めて、ハローワーク担当者の押印が書面にあるのを確認した後に職員が1000円を手渡し、月に約3万円しか渡していなかったようです。男性は、群馬司法書士会に「この金額では生活が出来ない」と窮状を訴え、会が荒木恵司高崎市長に対し運用の改善を求めて要請書を提出して、今回の事実が明らかになりました。

私は、これまで生活保護受給者から相談を受けていましたが、このようなケースは聞いた事がありませんでしたので本当に驚いています。今回、男性が糖尿病でも治療をしながら早く就職できるよう役所が指導する事や、本人も努力するのは当たり前のことです。しかし、男性の就職活動の有無を条件にする事自体問題で、月の保護費の一部しか払わないことは更に大きな問題です。このような事をすれば、かえって生活保護の目的である利用者の自立を妨げてしまいます。この男性は、司法書士会の要請で残金を全額受け取ったそうですが、行政側は制度の意義を考えて今回の対応の問題点を検証し改善をすべきです。

生活保護は国民の権利で、最後のセーフティネットです。健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的としているものです。これまでも生活保護に関しては小田原市のジャンパー事件等、職員の不適切な対応が問題になりました。受給者は様々な事情で生活保護に頼っています。しっかりと見極めることは大切ですが、行政は困窮している方にしっかり寄り添い、適切に対応すべきだと思います。

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